地域から「帰る場所」がなくなるということ

私が地域に向き合おうと思い始めたきっかけは、母校がなくなったことでした。

通っていた保育園も、幼稚園も、小学校も中学校も、もう校舎はありません。
更地になった母校の跡地を見たとき、「ああ、ここにはもう戻ってこれないんだな」と思いました。

地元はなくなったわけではないのに、帰る理由だけが、ひとつずつ消えていくような感覚でした。

未来を考えたきっかけ

姪が生まれて、
この子が学校に通う頃、この地域はどうなっているんだろうと、
初めて未来のことを考えました。

そのとき思ったのは、「私と同じ気持ちを味わってほしくない」ということでした。

関係は静かに途切れていく

帰る場所があることは、ただの「思い出」ではないと思っています。
人と地域の関係をつなぎ続けるためのものです。

学校やお店、通っていた場所。
そうした拠点があるからこそ、人は何度でもその地域に戻る理由を持てます。

逆に言えば、それらがなくなったとき、気づいたら帰る理由がなくなっていて、連絡も取らなくなって、いつの間にか人と地域の関係は静かに途切れていきます。

地域が消えるのではなく、「関係が消える」。

私はその感覚を、実際に体験しました。
だから私は、地域を「帰ってこられる場所」として残したいと思っています。