地域でサービスデザインをしていると、なぜかPMになっていく

PMがいない案件と、役割分担が曖昧な案件は事故りやすい。

これは、これまでいくつかのプロジェクトに関わる中で感じてきた、私なりの経験則です。

PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクト全体を見ながら、役割やスケジュール、予算などを整理し、関係者と調整しながら進行する役割です。

普段、東京で関わっているプロダクト開発では、PMやエンジニア、デザイナーなど、それぞれの役割を持つ人がいます。

私はサービスデザインやUX/UIデザインを担当することが多く、ユーザーを理解し、要求を整理し、体験や画面を設計していきます。

ところが地域のプロジェクトでは、少し事情が違います。

「それ、誰が決めるんだろう?」

地域では、「こんな企画をやりたい」というところから人が集まり、プロジェクトが始まることがあります。

企業のプロジェクトのように、最初から職種ごとの担当者がアサインされるわけではありません。地域では、住民や行政、事業者など、普段は別の立場にいる人たちが集まって進めることもあります。

そこでサービスを設計しようとすると、いろいろなことが気になってきます。

何のためにつくるのか。誰が使うのか。どこまでやるのか。予算はいくらなのか。誰が何を担当するのか。そして、最終的に誰が決めるのか。

ここが曖昧なまま制作が始まると、途中でスコープが増えたり、必要な確認がされていなかったり、誰も判断できずに止まったりします。

そして最終的に、誰かが本来の役割を越えて調整することになります。

足りないのは「プロジェクトの設計」?

誰が判断するのか分からなければ、要求を整理しても決められない。運用する人が決まっていなければ、実現できる体験なのかも判断できない。

私の場合、ここを放っておくと体験設計そのものが成立しないので、気になったことを一つずつ整理していきます。

そうしているうちに、

「あれ、これってPMに片足つっこんでるのか?」

という状態になります。

以前、埼玉で地域に関わっているサービスデザイナーの方と話したときにも、「地域で活動するサービスデザイナー、PMになりがちだよね」という話になりました。

もしかすると、地域のプロジェクトでは、こうした「間を担う人」が不足しやすいのかもしれません。

体験を実現するためのプロジェクト

だからといって、サービスデザイナーがPMまで担うべきだとは思いません。

大切なのは、プロジェクトの最初に「誰が全体を見て、誰が何を決めるのか」を明確にしておくことです。

どれだけ良い体験を設計しても、それを実現するプロジェクトがうまく進まなければ形にはなりません。

特に地域では、サービスだけを切り出して設計することが難しいのかもしれません。誰が関わり、どう決め、どう運営していくのかまで含めて、体験の実現条件になっているからです。

サービスを設計することと、プロジェクトを設計すること。

地域でサービスデザインをするようになって、この二つの距離は思っていたより近いのかもしれない、と最近感じています。